転職日記

転職活動を始めた。

 

現在、妻とは別居婚の状態で、妻は大阪で外資系の企業で研究者としてバリバリ働いている。私は東京の研究所で、やはり研究の仕事をしている。お互い、子供は欲しいと思っている。

 

向こうは外資系ということもあり、正社員ではあるが、雇用契約で勤務地や職務範囲が明確になっている。更新もされるようだ。一方の私は、雇用契約書は持っているが、内容は○○株式会社で働くこと。勤務地は会社が指定すると書いてあり、職務範囲の規定はない。

 

私と妻の実家は大阪にあるということもあり、やはり私が大阪に行く方が子育てをする上ではメリットが大きい。というわけで会社に大阪方面への転勤希望を出している。会社側(上司)からの回答は、「個人的には大阪に行かせてあげたいが、会社としては雇用契約上どこでも働くことになっているし、そういう都合の悪い人と結婚したのは本人の自由と言うことになる。私としては探しはしてみるが約束も出来ないし、いつになるかも分からない」というもの。子供はいつでも欲しいときに出来るというものでも無いし、結果的に転勤出来ない場合に備えて予防線も兼ねてエージェントサービスというものに登録してみた。ちなみに今の職場には全くといって良いほど不満は無いし、ここでやりとげたいこともある。

 

エージェントに、勤務地は大阪周辺で転勤は無いこと、共働きのため残業はあまり出来ないこと(30時間以下で、子育てに理解があること)、正社員として働きたいなどを条件として伝えたが、まあ器用なことに2,3社見つけてきてくれた。本当20社くらい受けて欲しいらしいんだけど。

 

自分で言うのもアレだが、僕はかなり優秀な部類に入る。良い大学に入り、新卒で超大手企業に入社し、査定もかなり良い。「スキルは非常に高いが、人を使えないため仕事を抱えがちで残業が多くなっている」という、これからワークライフバランスを考えていきたい人間としては複雑な査定である。まあ、それは置いておいて、お蔭で転職先には困らないようだ。実際、学生時代の就職活動でもいわゆる人気企業からの内定をいくつかいただいた。

 

しかし、日本には、やる気のある若い優秀な、そしてプライベートに制約のある人間を活用できる職業は無いということが結果的に判明した。エージェントさんから頂いた企業の候補は、実際には斜陽の中小ばかりである。倒産したりクビを切られたりすることそのものは自信もあるし大して怖くはないが、キャリアを失う可能性が高い。まあ、中身は見てみないと分からないのでとりあえず面接にはいく。

 

今回の条件で特にきついのは「転勤なし」という部分。高学歴=大企業=転勤有=独身or DInks or 専業主婦という構図が日本の社会に根付いていて、それ以外の選択肢は斜陽の中小か、派遣か、パート・アルバイトか、財団/独法か。とにかくキャリアを積めるような職種が閉ざされている。エージェントの検索で調べて残業が20時間とかで行けそうだなと思って調べてみても、実際は何時間ですかと聞く必要があって、だいたい50時間とか言われてしまう。残業少な目、ただし所定労働時間8.25時間(違法)なんていうのまであった。

 

政府は、森本学園とか共謀罪に夢中でずいぶんと悠長である。

そんな暇があったら嘘求人とか偽求人とか労働基準法違反を粛々と取り締まって頂きたい。未払いの残業代は裁判をしないと取り戻せない上に、取り戻せる額は残業代だけである。経営者としては、とりあえず残業代は払わずにおいて、訴えられたら支払うだけでいい。損をすることはない。そんな国に生まれてしまったようである。