雑感

www.huffingtonpost.jp

 

というのを見た。

しかしながら、この漫画には大きな間違いがある。

「結婚」「子供」攻撃を仕掛けてくる人達は様々な言葉で圧力をかけてくるが何のことはない/「私が経験したから」/という薄弱な根拠を最強の武器だと勘違いしているだけだ

とある。

それこそ何を根拠にと思う。

言いたいことは分かるが、結局子供を作らない選択が幸せな理由は、子供を育てる有形無形のコストを支払っていないのに老後はきちんと他人が育ててくれた子供にフリーライドできることにある。そこから逃げてはいけない。何故子供が居る人は偉いと考えられるのか。それは社会の宝である子供を個人の負担において育成するからである。

しかも、最後のコメントで

子供を産みたくても事情があって産めない。結婚したいけど出来ない。など、世間で言うところの普通を選択したくても出来ない、にも関わらずそれを理解されず責められる人もいて、そんな人に一瞬でも気休めになれば良いなと思って描きました」

産みたいけど産めない人と、自分の自己実現(趣味)を優先して子供を作らない選択をした人は明確に違う。産めない人にとって一番つらいのはこういう自己中心的な子供を作らない層と同一視されることではないか?やさしい漫画を本人は書いたのだろう。浅いなぁ。

 

プライベートが充実!

という求人広告を良く見かける。主に派遣の求人だけど。

例えばバンド活動をやっていて、お金も要るから派遣で働く。これはプライベートが充実だと思う。

だけど、自分の場合は父親になる上で最低限の責任が発生するため、子育て期間中は転勤も出来ないし、残業はしてもいいけど子供が熱を出したときは2回に1回は会社を休まないといけない(病児保育とかは活用するにせよ)。

私が子供が欲しい理由は、もちろん純粋に子供が好きだからというのはあるけど、社会的な責任もあると思っている。厳密にいうと、自分の老後を支えてくれるのは年金でも保険でも無く実の子供であると思っているからである。子供がおらず老後は年金で、と言っているのは他人の子供にタダ乗りする行為であると思っている部分が少なからずある。

子供を育てられる仕事を探していて、「プライベートが充実」なんて書かれていると、ああこの国は、いい年した大人が「プライベートを充実」させたいガキみたいなことを言っているんだなぁと悲しくなる。

転職日記

転職活動を始めた。

 

現在、妻とは別居婚の状態で、妻は大阪で外資系の企業で研究者としてバリバリ働いている。私は東京の研究所で、やはり研究の仕事をしている。お互い、子供は欲しいと思っている。

 

向こうは外資系ということもあり、正社員ではあるが、雇用契約で勤務地や職務範囲が明確になっている。更新もされるようだ。一方の私は、雇用契約書は持っているが、内容は○○株式会社で働くこと。勤務地は会社が指定すると書いてあり、職務範囲の規定はない。

 

私と妻の実家は大阪にあるということもあり、やはり私が大阪に行く方が子育てをする上ではメリットが大きい。というわけで会社に大阪方面への転勤希望を出している。会社側(上司)からの回答は、「個人的には大阪に行かせてあげたいが、会社としては雇用契約上どこでも働くことになっているし、そういう都合の悪い人と結婚したのは本人の自由と言うことになる。私としては探しはしてみるが約束も出来ないし、いつになるかも分からない」というもの。子供はいつでも欲しいときに出来るというものでも無いし、結果的に転勤出来ない場合に備えて予防線も兼ねてエージェントサービスというものに登録してみた。ちなみに今の職場には全くといって良いほど不満は無いし、ここでやりとげたいこともある。

 

エージェントに、勤務地は大阪周辺で転勤は無いこと、共働きのため残業はあまり出来ないこと(30時間以下で、子育てに理解があること)、正社員として働きたいなどを条件として伝えたが、まあ器用なことに2,3社見つけてきてくれた。本当20社くらい受けて欲しいらしいんだけど。

 

自分で言うのもアレだが、僕はかなり優秀な部類に入る。良い大学に入り、新卒で超大手企業に入社し、査定もかなり良い。「スキルは非常に高いが、人を使えないため仕事を抱えがちで残業が多くなっている」という、これからワークライフバランスを考えていきたい人間としては複雑な査定である。まあ、それは置いておいて、お蔭で転職先には困らないようだ。実際、学生時代の就職活動でもいわゆる人気企業からの内定をいくつかいただいた。

 

しかし、日本には、やる気のある若い優秀な、そしてプライベートに制約のある人間を活用できる職業は無いということが結果的に判明した。エージェントさんから頂いた企業の候補は、実際には斜陽の中小ばかりである。倒産したりクビを切られたりすることそのものは自信もあるし大して怖くはないが、キャリアを失う可能性が高い。まあ、中身は見てみないと分からないのでとりあえず面接にはいく。

 

今回の条件で特にきついのは「転勤なし」という部分。高学歴=大企業=転勤有=独身or DInks or 専業主婦という構図が日本の社会に根付いていて、それ以外の選択肢は斜陽の中小か、派遣か、パート・アルバイトか、財団/独法か。とにかくキャリアを積めるような職種が閉ざされている。エージェントの検索で調べて残業が20時間とかで行けそうだなと思って調べてみても、実際は何時間ですかと聞く必要があって、だいたい50時間とか言われてしまう。残業少な目、ただし所定労働時間8.25時間(違法)なんていうのまであった。

 

政府は、森本学園とか共謀罪に夢中でずいぶんと悠長である。

そんな暇があったら嘘求人とか偽求人とか労働基準法違反を粛々と取り締まって頂きたい。未払いの残業代は裁判をしないと取り戻せない上に、取り戻せる額は残業代だけである。経営者としては、とりあえず残業代は払わずにおいて、訴えられたら支払うだけでいい。損をすることはない。そんな国に生まれてしまったようである。